News / Nunn Road / 2004 / No.J125 13th Sep 2004
新しい4人のお友達がJapaneseクラスに加わって新学期がスタートしました。現在Japaneseクラスは27名、Englishクラスは14名です。ナニアは、子供たちの第二の家、先生達は第二のお母さん、お友達はみんな兄弟姉妹、そんな場所であってほしいといつも願っています。そんな中、我々大人 をいつも感動させてくれるのは、子供たちが誰でも一生懸命受け入れようとしてくれることです。「違い」を当然のこととして自然に受け入れ、「励まし」の対 象にしてくれます。たとえば、日本語がスムーズに話せない子には「たくさん、お話できるようになったね」と言ってくれたり、耳が聞こえにくい子には手話の ように「Good」とサインをしてあげたり、背中を優しくなでてくれたり、食べ物に敏感でみんなと同じものを食べられない子には「○○ちゃん、これ食べて も大丈夫かな?」と一生懸命色々心配してくれます。Englishクラスで大泣きをしていた小さい子も、その子より小さい子が入ってきたらその子の面倒を よく見るようになって、食事中に一生懸命食べさせてあげている姿勢を見るととても感動します。
8人のスタッフは、それぞれ保育責任を持つ場所が一応決まっていますが、いつも助け合って自分達も姉妹のように取り組んでいます。午後の一日を反省するお茶の時間も、子供たちの話しで花が咲きます。子供たちの小さな成長が、何よりも我々にエネルギーを与えてくれます。
そして、お祭りを待つのは、子供たちだけでなくスタッフも同じで私が提案する以前から、もう「感謝祭の詳細を教えてください」「歌の練習をしましょう」と催促がきます。先週から両クラス一緒に感謝祭のための練習を始めました。
◆◆スタッフ紹介◆◆ (子供たちが呼ぶ呼び方で)
Englishクラス: Thian(ティエン)先生
Tan(タン) 先生
Japaneseクラス: 純子先生(Englishクラスの子供たちはアンティージュンコ)
Ong(オン) 先生
Mica(ミカ) 先生
Kitchenスタッフ: Auntie Janet(アンティージャネット)
Joyce(ジョイス)先生
事務 : Chithra (チトラ)先生
※チトラ先生はインド系マレーシア人、他のスタッフは中国系マレーシア人です
= 10月の行事予定 =
1日(金) かほちゃん3才のお誕生会 12日(火) ゆうすけ君4才のお誕生会 13日(水) あきら君6才のお誕生会 15日(金) 感謝祭 18日(月) よしひろ君5才のお誕生会 21日(木) みさきちゃん5才お誕生会 28日(木) 小麦粉粘土持ち帰り 29日(金) 作品袋、年長児の本持ち帰り
◆◆ 毎日午後の年長児クラスでは、数やABCの導入と共に、ひらがなを一字ずつ詩やリズムを取りながら学んでいます。まだ全部のひらがなを習い終わって いませんが、以前差し上げた詩の本を使って、「しのほん」作りも始めました。これは、それぞれのペースで楽しみながら、書いていって欲しいと思っていま す。子供たちの中には日本語を母国語としない子もいます。そういう場合は、家庭で少しずつ練習もしていっています。この本は、毎週金曜日に持ち帰らせま す。もし、土日で強制でなく、意欲的に書きたいようでしたら、させてみてください。(色鉛筆で) その時いくらやりたいと言ってもさせ過ぎるのは逆効果で すので、よろしくお願いします。
幼稚園で書くときに言っていることは、「競争ではないこと」「ゆっくりていねいに書くこと」「文字を書いたら少し絵を描いて飾ること」などです。そして、鉛筆の持ち方や姿勢、書き順なども折々触れています。
子供たちには、それぞれのペースがあります。この柔軟な時期に知的なことを強制するのは「勉強嫌い」を作る原因になりかねません。逆に文字に興味を持っ ている時に、できるだけ芸術的に(色や絵できれいだなと思える)楽しんでできると素晴らしい力が伸びてきます。この本、月曜日に、自分達で作った「詩の本 入れ」に入れてまた持たせてください。
◆◆ 毎日、子供たちは「これをやりたい」「あれをやりたい」と意欲的に行動しています。
今日は少し、大人と7才までの子供たちが行動する時の態度の違いに触れてみたいと思います。大人は行動する前にまず第一に考えます。どういう意味があるの か、どういうやり方をしようかなど。そして第二に仲間に働きかけたりします。そこには、感情的なかかわりが生ずるようになり、そして最後に行動に移しま す。思考→感情→意志の順番です。7才までの子供たちは、とにかく自分の回りのことを模倣しようとします。まず行動する。そして、その行動 が遊びの中で繰り返されながら、「おもしろい」「楽しい」という感情が入ってきます。そして、だんだん「こうやってみよう」「ああやってみよう」という知 的関心が目覚めるようになります。意志→感情→思考、の順です。
このように大人と7才までの子供は、全く逆の仕方で環境から影響を受け動いていることになります。このあたり前のことに大きな幼児教育の鍵があるように 思えます。くどくど説明したり、権威でいつも言うことをきかせることは、この年齢の子供たちの魂にとっては受け入れがたいものです。彼らにとって大切なこ とは、模倣できる大人が回りにいて、繰り返しのリズムのある規則正しい生活があるということになります。確かに彼らは繰り返しのリズムがあれば、それを自 然に楽しく覚え、身に付けていきます。大人が「覚えなさい」「やりなさい」という必要がないのです。
ナニアでも、この繰り返しのリズムを大きな一つの教育方針としています。ですから、一日一日。一週間毎、同じリズムが流されます。一年の行事も、その季 節が来る度毎に、繰り返して行われます。繰り返すことは、子供たちを安定させ、体や心を伸びやかに成長させます。そして、それは子供たちの記憶力を高める ことにもなります。確かに子供たちはいろいろな言語の歌や詩をあっという間に覚えてしまいますよ。