News / Nunn Road / 2006 / No.J148 17th Apr 2006
ナニアは生活学校。同年齢の子供たちだけのクラス分けでは競争心が育ちやすくなりますが、3歳児~6歳児を一緒に保育すると、子供たちはいろいろな面か
ら学ぶことができます。小さい子供たちからは、お兄さんお姉さんたちに対して尊敬の念が育ち、大きい子供たちからは小さい子供たちへのやさしさ、思いやり
の気持ちが育ちます。
現在新しいクラスになってまだ2週間あまりですが、それぞれが一つずつ大きくなって新しい体験をし始めています。年長児クラスを楽しみに待ち、お手伝い
なども頑張っている年長さん。自分たちより小さいお友達や新しく入園したお友達のお世話をよくしてくれている年中さん。お兄さん、お姉さんたちに助けられ
て少しずつ頑張っている年少さんなどです。
先日はイースターの日。卵に色を塗ったり、人形劇を見たり、「うさぎさん」が庭に隠した卵を探したり、種蒔きをしたりする中で、新しい命のお祝いをしま
した。子供たちのまいた種から少しずつ芽が出始めています。新しいことが始まる4月、小さな芽が一生懸命土から顔をのぞかせて大きくなっている様子が、新
しく一つ上のクラスになって頑張っている子供たちの姿に重なります。
5月の行事予定
1日 Labour Dayでお休み
3日 こどもの日のお祝い
4日 しゅんくんのお誕生会
5日 かなちゃんのお誕生会
11日 母の日のお祝い
12日 Wesak Dayでお休み
15日 りあんちゃんのお誕生会
18日 みあちゃんのお誕生会
19日 りょうくんのお誕生会
25日 弁当デイ
31日 作品袋持ち帰り
新
年長さんたちの年長児クラスを紹介します。これは、小学校に上がるための準備として、ひらがな、英語、数の導入をしています。まず、みんなであいさつを
し、ビーンバッグを回しながらしりとりゲームをします。その後、その日習うひらがなの詩を体でリズムをとりながら言います。英語の時は簡単な英語での会
話、数の時は数の話などをします。そして、みんなで輪になりABCの歌や「あいうえお」と手拍子でリズムを取りながら歌ったり、言ったりします。その後、
机に着いて線描や習った字の練習をします。
自分で書いたものがきれいだなあと思えるように、色鉛筆やブロッククレヨンで作業を進めます。そして、自分で一生懸命書いたものは大切にして欲しいの
で、毎月末に自分達で表紙、裏表紙、ひも作りをし、本にして持って帰ります。 年長さんだからできる「お勉強」はみんなとても楽しいようです。例年、小さ
い子供たちの中に、自分も大きくなったらしたいなあと、うらやましそうに見たり横で真似したりする子がいます。
子供たちといると目に見えない世界のものを感じるような体験をすることがあります。
この日もそんな日でした。それは3月31日、卒園児のナニアでの最後の日、Englishクラスのお誕生会で、外でおやつを食べている時のことです。
生き物に興味のある彼らは、小さなクモを見つけ、大喜びし興奮しすぎた子が不意にひどくたたいてしまいました。足がちぎれ、体がつぶれ、とても無残な
かっこう。私はそのクモをティッシュでつつみ、しばらく痛かったクモさんの話をしました。子供たちも真剣に話し合いに参加してくれました。そんな時、かわ
いいリスが電線の上を歩いていきました。それからは、ナニアの庭で出会ったたくさんの生き物の思い出話が、卒園児たちを中心に次から次へと出てきました。
庭でおやつを食べる時によく見かけたカメレオンくん、ゴキブリをやっつけたヤモリくん、何日もやってきたおさるのモントット、巨大バッタ、巣作りから雛の
成長していく様子を見せてくれたサンバードの親子。「ねえ、純子先生覚えてる?この前、ここで食べていたら、サンバードさんたちがたくさんあの木にやって
きたね。そしたら○○くんが今日の夜はサンバードさんたちのお祭りだから準備をしているんだって言ったね。みんなお祭りに行きたいって話したよね」「ねえ
先生知ってる?この前雨がたくさん降った時、チク城の下にいるカメさん(置物)が泳いでいたよ」「そうだね。○○くん、本当だよね」
こんな話をする間中、私はクモの入っているティッシュを手に握り締めていました。そして、おやつが終わって、クモのお墓作りをすることにしました。もう
何人かの子供たちが、お墓にかざるお花を探しに行っていて、たたいた子はスコップで穴を掘っているところでした。そして準備ができて、ティッシュを開いて
クモをその穴に入れようとしたら、体がピクッと動くではありませんか。目の錯覚かなと思ってもう一度見てみると、見る見る間に元気になって、ティッシュの
上を歩き始めたのです。子供たちも私もびっくり。葉っぱの上に置くともっと元気になって動き回っていました。
この日は、外遊びの時、チク城にいるEnglishクラスの子供たちが偶然カメの話をしているので「このカメさんは、ここでいつもみんなを見守っている
んだよ。やさしいんだよ」なんて話をしました。しばらくすると今度は大きなカエルくんがそのカメさんの横にいて子供たちを大喜びさせてくれました。
そして、私たちが夜7時頃帰宅する時、ガーデナーさんが庭仕事をしていて、その横で6才の娘さんが砂場で幸せそうに遊んでいました。遠くからその子を見
ながら主人と「あの子は、本当は一人で遊んでいるのではないんだよね。だからあんなに楽しそうなんだよね」なんて話をしました。夜一日を振り返っている
時、そう言えば、あの子が遊んでいたところは庭のカメさんからよく見える所なんだと気付きました。
日本に「7歳までは神の内」という言葉があるように、幼児の魂は神様のいらっしゃる領域に守られて住んでいる、ということです。この日の体験を振り返り
ながら、ノームさんに話しかけたり、季節のテーブルの前で手を合わせる子供たちのことを思い浮かべながら、自分が忘れがちになる畏敬の念、自然界への感謝
の気持ちを深く感じました。
私の主人は有機農業関係のコンサルタントをしていて、海外出張が多く、行った先々でユニークなおもちゃを子供たちに買ってきてくれます。
タイの布の帽子や虫のおもちゃ
ケニアの木の動物
スウェーデンの指人形
タンザニアの木の家
ドイツの木のおもちゃ
などです。 先日はミャンマーから粉作りをする、ひきうすのようなものを買ってきてくれて、外遊びの時使っています。「Uncle」のおもちゃを紹介する
時は、必ず儀式のように「お話」を作って伝えています。そうすれば、子供たちから買ってきてくれた人への感謝の気持ち、おもちゃを大切にする気持ちが育つ
からです。紹介する時にしたお話の内容もよく覚えていておもちゃをとても大切にしてくれていますよ。また、彼の部屋に行って「Thank
you,Uncle」と言ったり少し英語で会話をしてくる子供たちもいます。