News / Nunn Road / 2016 / December 2016

 

先日のクリスマスの会を終え、今年2016年も残す所、あとわずかになりました。今日は、自分の体験からこの一年を締めくくらせてください。

「生きるということは前を向いて進んでいくということ。そして、たくさんの自分自身の発見をするということ。」そんなマントラを唱えながら過ごした一年でした。それは、自分がナニアを始めた頃の心境によく似ていたんです。

23歳のころ、新採で学校に勤めていた時に本を通して出会ったシュタイナー教育。35歳の時にイギリスで4年間勉強できる念願が叶い、その後、マレーシア、ペナンでナニアを始めたのは1997年。ナニアを始める前、いろいろなローカルの幼稚園を周って知ったことは、保育者も子供も苦しそう。中には、鞭を持っていた先生もいた程です。(当時のことです。)

それなら保育者も子供達も笑顔で過ごせる楽しくて幸せな幼稚園をマレーシアの子供達(どんな経済層の子供でもいい)に紹介したいと思って張り切ってオープンしました。最初は一クラスだけで、マレーシアの子供達、ヨーロッパ系、日本人といろいろ混ざっていたのですが、だんだん日本人の子供達が中心になってきました。

その時、悩んだことがあるんです。自分は恵まれたお金持ちの子供達を対象に園を経営しているということです。(ごめんなさい。)でも、その時に子供達が教えてくれました。どんな経済層でも、子供は子供ということです。そして、彼らに励まされて前を向いて進んでいると、「そうか、自分はペナンに来て、ナニアに来てくれた子供達の役に立っているんだ」「だったら、自分の思いをこの子達に託して、この子達が貧しくて苦しい子達を助けてくれる世の中作りに貢献するんだ」という発見をしたんです。

その発見をした日から、ずっと前を向いて進んできたのですが、やはり今年はとても苦しかったです。世界情勢が悪化し、小さい子供達があまりにも無惨な思いをしている現状。爆弾攻撃を受け破壊された建物から救い出される子供達。小さなボートで生死をかけて逃げる避難民の子供達。テロに巻き込まれ、自然災害に巻き込まれた子供達。身寄りもない食べ物も薬も十分にない無抵抗な子供達。おなかがすいているだろう、苦しいだろう、痛いだろうと思うだけで何もできなく情けないなあと何度も思いました。

そんな自分を、又ナニアの子供達が救ってくれました。無邪気に笑って時にはけんかをして、楽しそうに過ごしている子供達。小さなありさんを上手に両方の手で囲んで一生懸命お庭に持っていってくれようとします。話せない子が少しでも話せたら大喜びしてくれる。病気の子が元気になったら「よかったね」と大好きしてくれる。クリスマスの会で一生懸命お祈りしてくれる子達を見ながら、彼らが前を向いて進ませてくれました。私が言ったことを全部信じて一生懸命生きている子供達を見ながら、立ち止まってしまいがちな自分が情けなくなったり、彼らに感謝したりの一年でした。

毎年クリスマスの会の日に彼らの写真入り手作りカードを差し上げているのですが、昨年までは、大変で、正直「もうできない」と投げ出しそうになったこともあります。でも今年は、一枚ずつ書く時にその子と話しながら、保護者の皆様と心の中で会話をしながら、これは自分にとって大切な仕事、喜び。精神界から降りてきたばかりの天使のような子供達に感謝する仕事。これができたら、世界中のたくさんの子供達にも祈りの中でつながれる。そういう発見をしました。

最近たくさんの子供達が「こころとこころがつながっているから大丈夫」とお別れする子や悲しんでいる子に書いてくれます。お別れした子からもそいうお手紙が届きます。同じ言葉でも、私が言うのとは違って、彼らが自ら心を込めて言ってくれる言葉には、本当に偉大な力を感じます。

今年、本当にいろいろお世話様になりました。新しい2017年が、たくさんの人が前を向いて進める年、世界中の小さな子供達の笑顔が取り戻せる年になって欲しいと心から願っています。

皆様方もどうぞよいお年をお迎え下さい。

お魚さん人形の話

毎日一日の終わりのお話の時間の前にお魚さん人形が来て、今日どんな日だったか子供達に聞いてくれます。そして、子供たちはそのお魚さんに話すことが大好きです。一人で言ったり、数人で言ったりします。

〈例〉

「〇〇ちゃんが日本に帰るのでさみしいです」

「〇〇君と〇〇ちゃんがお休みだったのでかなしいです。」

「お外遊びができたのでうれしいです」

「〇〇君のお誕生会だったのでうれしいです」

「〇〇ちゃんが元気になったのでうれしいです」

「もうすぐクリスマスの会なのでうれしいです」

「〇〇先生が病気なのでかなしいです」       などです。

さみしいお別れ

こうしろう君が、1月でお別れすることになりました。最終登園日は1月20日です。年度を終わることも、中国正月の会を一緒にすることもできません。もちろん、毎日彼と大切な思い出作りをしますが、中途半端でとても残念です。みんなでたくさん「大好き」をして送り出してあげましょうね。

昨年度も年長さんが卒園まであと数か月という12月に離園し、つらいお別れをしました。そして又今年。私の声など届かないのでしょうけど、これが私の心からのお願いです。サンタクロースさん、このメッセージを届けてください!

諸会社の社長様へ

私の心からのお願いです。異国で暮らす子供達の出会い別れは強烈です。そんな中、子供達の離園を切りのいい3月にしていただくことはできないでしょうか。

特に年長さん達は、該当の子もお友達もみんな一緒に卒園することを楽しみにしています。卒園まであと数か月という時のお別れは、心が引き裂かれるようです。先日、12月で離園する年長さんに「小さな卒園の会」をしてあげたら、号泣する子達が何人もいたんです。

たかが幼稚園児ではありません。これからの将来を担う素晴らしい可能性を秘めた子供達です。ここで兄弟姉妹のように過ごし、親しくなったお友達と一緒に心に残るまとめをして、園を巣立ち、そのやさしい思い出とともに明日に向かって進んでいってほしいと心から願うものです。

どうぞよろしくお願い致します。

ナニア幼稚園 園長

鈴本純子

 朝顔はまだ咲き続けていてみんなを楽しませてくれます。でも暑い国なので9時半頃にはしぼみ始めてしまいます。ある時は、50コ近く咲いていましたよ。植えたカイランもオクラも元気に育っています。

 年中さんで3月までに帰国予定の方がありましたら教えてください。ナニアで年長さんになれないので、せめて、一月から織物をやらせてあげて、かばんを作ってそれを日本に持って帰らせてあげたいと思っています。

 

  

  

  

 

  



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