News / Nunn Road / 2019 / March 2019

3月8日の卒園の会、大変お世話様になりました。狭いスペースで窮屈な中、保護者の皆様が見守って下さって心に残る卒園の会にすることができました。東ここなちゃんが、お熱でお休みだったのがとても残念でしたけど、みんなが一生懸命お祈りしてくれました。

私は毎年卒園の会の準備をする中、心配になることがあるんです。1月、2月、3月は長いお休みがあったり2月が短くて卒園の会まで、約2ヶ月間です。その間に、お誕生日会やお別れ会が入り、豆まきやひなまつりもしながら、チャイニーズニューイヤーの会と卒園の会の大きな行事が二つ入ります。そんな中、果たしてそれぞれの子の持つ素晴らしさを発揮できる卒園の会にすることができるのだろうかということです。

でも、いつもその心配を忘れさせてくれるのが子供達です。あるお母様が言われていました。“縦割りグループというのは、本当に良いですね。”と。そうなんです。縦割りグループだから、助け合い、励まし合ってできるようになることがたくさんあります。卒園の会の日、小さい子達が1時間以上の長い時間、頑張っていすに座って会に参加してくれました。それは、やさしくお世話してもらった、大好きなお兄さん、お姉さん達への敬い、感謝の気持ちからくるものなのです。小熊や小うさぎになって一緒に劇をしたり、“御卒園おめでとうございます。”と言いながら、プレゼントを渡して大好きするのも上手でした。そして、卒園児達も自分達は、一番大きなお兄さん、お姉さんなんだということから、いろいろなことに責任を持って取り組み、小さい子達へのやさしさ、思いがその日発揮されました。

今年は、3年間ナニアに通ってくれた子が4人いる中、全体で2年以上が7人という、みんな兄弟姉妹のように育ったグループです。いろいろな出会い、別れを体験しながら、やさしい心を持てるようになり、年長さんになって新しく入った3人の子達も、たくさんのお友達を作り、全員、立派に自分の持ち味を生かして、発表し卒園することができました。

彼らのストーリーを考えながら感じたことは、本当にやさしくて、進んで動いてくれる年長さん達だったということです。ある卒園児の御家庭で、お兄ちゃんが弟に聞いたそうです。“どうしてそんなにみんなからもてるの、教えて”と。(そのお兄ちゃんは、弟のようにもてないと思っているそうです。)そして、その弟が答えたことは、“やさしくできれば、もてるようになるよ。”ということです。彼の言葉は、みんなのやさしさを代表しています。お世話をしてあげて“お兄さん、お姉さん、ありがとう、大好き”というのは、縦割りグループだからできるものです

そんな中、卒園児自分達だけができること(4枚織り物かばん作り、楽器、お面作り、係の仕事、行事の準備など)というのは嬉しいので自信を持って意欲的にできます。たくさんの歌も、劇も、感謝の言葉なども一生懸命練習して、当日立派に発表してくれました。年中さん達は、卒園の会の練習が始まった頃から、お兄さん、お姉さん達とのお別れということがわかり、“次は自分達の番”と楽しみにします。そして、年少さんと一緒に、自由遊びの時、卒園児達の真似をして、楽しそうに劇や歌遊びをたくさんしていましたよ。それを見ながら“みんなで一緒に作る卒園の会”と思えて幸せな気持ちになりました。

 私は、ナニアを始めて10年間ぐらい抱えていた自分の課題がありました。(今年、ナニアは23年目です。)二十代の頃、知的障害を持つ子供達の教育に携わっていました。若かったので、情熱的に取り組み、頑張っていたのですが、なんと、中学部の卒業式の日に“おめでとう”と言えない情けない自分にぶつかりました。その日まで、この子達にとって学校を卒業して、行き場がない、もっと大変な人生が待っているということがわからなかったんです。何て、自分は小さい人間なんだろうと、その時思いました。父を早く亡くし、いなか村で育ち、小さな世界で暮らしていたので、外の世界を見て、少しは大きな人間になりたい。そうしたら、こういう子供達のために何か役に立てるかもしれないと、その時思ったのです。教師をしていた自分が、外の世界に出られるのは、日本人学校に勤めるしかないと思って、文部省(その頃の呼び名です。)の試験に受けたら、ラッキーにペナン日本人学校派遣が決まりました。1984年のことです。そして、日本で教師をした後、アメリカの障害者の共同体で働いたり、イギリスでシュタイナー教育を学んで、1997年にナニアを始めました。その時は、マレーシアで子供達も、先生達も幸せな笑顔で過ごせる幼児教育を紹介したいと思ってやり始めたのですが、ずっと日本で出会った障害を持つ子供達の所に帰らなかった、役に立っていないということが辛かったのです。

 でも、卒園したり、帰国した子達が大きくなってナニアに帰ってきて“ナニアでケーキ焼いたこと覚えているよ。”“ノームさん大切にしているよ。”と話してくれ出した頃、あることを決心したんです。自分は、直接は障害を持った子達のために役に立てなかったけど、ナニアでたくさんの子達に会って、彼らに障害を持っていても、持っていなくても、みんなが同じ様に幸せな笑顔で過ごせる世の中を作っていってもらおう。そうすれば、自分も役に立てると彼らに自分の思いを託すことにしたということです。そんなこと、直接6歳児に言っても理解しにくいけど、やさしい心を持った子達が育つのを見る時、苦しい思いをしている子達につながっているようで幸せに思います。

 卒園児のお母様方が、かわいい動物さんや、色取り取りのひもを作って下さいました。そして一人一人にかわいいノームさん人形の飾りをプレゼントして下さいました。みんな幸せを運んでくれるプレゼントです。ありがとうございます。

その上、“Thank you Nania.”のメッセージと共に、スタッフ全員が、かわいいクラフトクラスのTシャツペインティングをしたTシャツを着た卒園児達と写っている写真(彼らは、そのメッセージ風船を持っているように工夫されていました)、自分が両手を上げている写真をいただいて、この幸せがみんなの所に届いて欲しいと感じました。

 第二部では、お父様お母様方から、たくさんの暖かいメッセージをいただきました。とても嬉しく、生きる力になります。中には、“娘同様、私も純子先生が大好きです。”と言って下さったお父様までいらっしゃって、みんなでたくさんお話して、笑って、たくさんの幸せをいただいた日でした。これから、この子達が、20歳になって帰ってきた時も、自分はまだエプロンを着てナニアにいられそうです。

 在園児のお母様方が、一生懸命作って下さった、素晴らしいアルバムは、大切なたからものとして、ずっとみんなを守り、つながらせてくれます。ありがとうございました。

 サリー先生も、明子先生も、リン先生も、アンティージャネット、そしてスタッフ全員、素晴らしい10人の子供達の成長を喜び合いながら、これからもずっと御成長をお見守り致します。そして、一つずつ大きくなる在園児達とまた頑張っていきます。

 本当に、幸せに満ちた卒園の会にして下さった皆様方に心より感謝致します。

はたちにて 帰って来るよと 愛し子が

離れても 心と心 つながりし

両親の やさしき言葉 胸に秘め

ノームさん 守ってください 愛し子を

ナニアにて 出会いし子たち たからもの

出会いとは 明日へと向かう たからなり

たくさんの やさしい思い ありがとう

いつかまた 再会の日を 夢に見て

大好きの はだのぬくもり 忘れない

愛し子へ 贈る言葉は だいじょうぶ

皆さんの 笑顔を胸に いつまでも

次から次へといろいろなことが思い出されます。素晴らしい出会いへの感謝と、明日への希望に託して、大好きな皆様にお贈りします。

  

 

 

  

  

 

   

  

  

 

3月11日(月)は、5歳の時ナニアに通ってくれた坂大樹君(21歳)が尋ねてくれて、いろいろな思い出話をしてくれました。大きいお兄さんを見ながら、みんな大喜び。“20歳になったら帰ってきてね”は、必ず実現します。

4月26日(金)は、イースターのお祝いをします。ナニアでは、New Life Festivalと呼びます。

 この日は、大地から新芽が出、卵からひなが生まれるという命のよみがえりを祝う日です。卵を隠すのにうさぎがよく使われますが、それは菜食であることや自らを犠牲にして、仲間を助けるといううさぎの特質を表しているようです。

 この日、子供達はゆで卵をクレヨンで飾りつけ、アルミフォイルで包みます。その後、人形劇を見ます。

 あらすじ

 キャタピラーさんと出会い友達になった小さな女の子が、キャタピラーさんが変わっていく様子を“病気”だと思い、一生懸命、薬やお祈りして治そうとします。そして、しばらくしたら姿が見えなくなりとても悲しみます。困ってノームさんにお願いしたら、“お庭で又、いい出会いがある”と教えてもらい少し元気になります。

 今度は、背中に卵を背負ったうさぎさんに出会います。庭に卵を隠す所だったうさぎさんは、女の子を誘い、草花がきれいに咲くイースターガーデンに連れていきます。そこで女の子は、きれいなちょうちょさんに出会います。どこかで見たようなちょうちょさん。その時、うさぎさんが、キャタピラーさんはちょうになったので、いつでも女の子に会うことができると教えてくれました。そして、女の子は、ちょうちょさんと楽しく歌って踊りました。-おしまい-

 この人形劇の間に、お母さんうさぎ(キッチンスタッフ)が庭に卵を隠し、子供たちがエッグハンティングをします。子供達はこのお祝いが大好きです。この日、自分で飾り付けた卵と折り紙うさぎを持って帰りますので、お話を聞いてあげて下さい。

   小さい子供達にとって、ありでも、ゴキブリでも、みんな命のある大切な生き物です。ナニアでは、迷子になったありさんが部屋の中に入ってきたら、“お父さん、お母さんの所に帰してあげるね”と、そっと外に出しています。たまに、ゴキブリにも会うのですが、その時も“お父さん、お母さんの所に帰ろうね”と言いながら、ティッシュでそっと包みます。(子供達が見ているのでできるんですよ。)そして、キッチンの裏の方に行って、“おうちに帰ってね”と外に投げる格好をします。私がどうするか、付いて来ている子供達は、“あーよかった、おうちに帰ったね”と安心して保育室に帰って行きます。その後、私はそっとそれを処分するのですが・・・・・。                                                                                                                                                                                              ゴキブリは、不衛生というのは、大きくなったら自然にわかってきます。でも、幼児期は“命の大切さ”を学ぶことの方が大切です。彼らの魂を豊かにするからです。そして、“三つ子の魂、百まで”と言われるように、この時期、大人が意識してあげたことは、彼らの心に残り、成長を助けてくれること間違いなしです。

庭の畑に見事なきゅうりが生っていて何度か収穫しました。とてもおいしいですよ。枝豆もだんだん大きくなっています。4月になったら収穫できそうです。

子供達は、死んでしまった生き物にお墓を作ってあげたら、それが天国に行けると信じていて、小さな虫さん達のお墓を上手に作ります。お花や石ころで飾ってくれますよ。以前、作った虫さんのお墓も覚えていて、“みんな天国で幸せだね”ということになっています。ナニアの土と天国は、つながっていると信じているんですよ。

有機野菜が注文できます。木曜日までに注文していただいて、次の週、月曜日にVanや車でお届けしています。お支払いは火曜日です。御希望の方は、注文用紙を差し上げますので、御連絡下さい。(お店より安価になっています。)

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