News / Nunn Road / 2000 / No.59 20th Nov. 2000

アジア太平洋人智学会議(人智学はシュタイナーの哲学です)

今回の会議は静岡県の山の村(富士山1000mのところ)で180名(海外から約

65名)の参加者で行われました。この会議のテーマは、「自由の秘密」と言うことで、色々な角度からそのテーマに向けて講義、分科会が行われました。私自 身、各国の文化紹介の中でこの会議のテーマに沿って、アジア的な角度からのメッセージを伝えたく、人形劇をしてみました。

また、この山の村で180名もの参加者をまとめ、会議を運営した日本の実行委員さんたちの働きぶりには、頭が下がりました。日本人女性のボランティアの 数も多く、口数少なく、テキパキ生き生きと働く彼女達から、さわやかなエネルギーをもらい、日本はこういう縁の下の力持ちのお陰でもっている、未来がある と感じました。そして、私自身日本人に生まれたことを誇りにも思いました。

また、教育会議では日本の中でのたくさんの活動が報告され、イギリスのエマソン大学時代の友人達が日本国中でがんばり、特に京都では彼女達が中心になって、来年3月、日本で第2番目のシュタイナースクールが始まる(京田辺シュタイナー学校)という事、とてもうれしく思いました。また、私たち自身、アジアでこの教育を広めていく中での方向性も少しずつ見えてきたように思えます。

西のドイツから始まったシュタイナー教育を東のアジアで広めていく中、その地その地の独自性に合わせて、教師は創意工夫し、研究実践を重ねていかなけれ ばいけないと思います。ただ、「自由への教育」と呼ばれるシュタイナー教育の根本、自分の欲や利害を超え、本当に大切な事、自分のなすべき事を選択し、実 行していける人間を育てる教育という事では、どこでも同じです。

この12年間に1ヶ月しか日本に滞在していない私にとって、「ここはどこ」「私は誰」「どうしてこんなにお金がいるの」とリエントリーショックも少々 あったのですが、そんな中、梅田駅で全く知らないおばあちゃんに話し掛けられ、しばらく立ち話をした事など、心暖かな思いでもあります。

また、ある友人は来年末ナニアは現在の家を買うか、移るかしなければいけないけど、まだその資本がないというのも耳にしたあと「金は天下の回りもの、必 要なところに行って大切な事に使われることが大事」とポンと封筒を渡してくれました。彼女の少ない給料から出たものだけに、ますますマレーシアで頑張らな ければいけないと励まされました。

それから、広島の病院のまさひろ君を熊本のまゆかちゃん一家と一緒に訪ねることができたのは、何にも代えられないことです。まさひろ君はきつい治療に一 生懸命耐えていました。彼の大きな脳腫瘍を取り出す手術ほど成功した例は他にないくらい、奇跡的なことだったそうです。治療は長引いていて来年3月くらい まで続くそうですが、彼なら乗り越える事ができると天使のような笑顔を見て思いました。着いた時は、まさひろ君は寝ていたのですが、まゆかちゃんと歌を 歌ったり、まゆかちゃんがそっと手を触れる中、目が覚めるととてもうれしそうに笑っていました。歌もお友達の名前もたくさん覚えていました。まゆかちゃん も頑張っていて、ひとりで上手に歩く事ができるようになり、足がしっかりしていました。二人が一生懸命手を握って歌うのを見ながら、ナニアでの様子が思い 出され、ナニアの子供達(現在いる子も離園した子も)みんなが、その場にいるように感じました。まさひろ君のお母様が皆様のお気持ちに大変感謝されていま した。お父様にはお会いできなかったのですが、くれぐれもよろしくお伝えくださいということでした。今日もたくさんの鶴(今回永田さんが1000羽、ナニ ア関係から2000羽くらい持っていきました)や手紙、プレゼントがまさひろ君を励ましている事でしょう。

小さな彼が一生懸命生きようとしています。これからも前向きな思いをまさひろ君に送ってあげたいと思います。また、ダウン症のまゆかちゃんも、やさしい ご両親に見守られ、周りの人に愛を与え、周りの人から理解され、のびのびと大きくなっていって欲しいと思います。今回の会議の中の講義でありましたが、日 本は経済的にはアジアの中で先頭に立って行っていますが、精神的に真の強さを持ってこそ、本当のアジアのリーダーと言えるのだと思います。どこの国でも同 じですが、大人の社会が真の生きる道を求めれば、小さな子供達はのびのびと自分の進むべき道を生きていける事でしょう。一生懸命生きようとする子供達がみ んな幸せになれる時代であって欲しいと願っています。

皆様からの鳥取西部地震募金は、会議の責任者の方が関係機関に送ってくださいました。マレーシアで手足口病の悪性のものが流行っていた頃、自分達の事で も大変なのに、皆様が震災に遭われた方のために心から募金してくださった事、お金の額以上に大きな力が届けられたと信じています。

最近咳の出る風邪が流行っています。子供達が調子が悪い時は、大人も移ってしまいます。次のことはチャイニーズのマッサージの先生に教わり、私自身実行して効果を上げていることです。

・朝起きてすぐ塩水を口内の唾液と一緒に飲み込む。(朝一番の唾液は抗菌効果があると言う事でした)
・首の後ろをマッサージする
・ヨガのポーズのひとつですが、床に仰向けに寝て、体を曲げゆり動いて背骨のマッサージをする。

ローカルの子供達ようの土曜クラスをはじめました。まだ少人数ですが。マレーシアで少しずつシュタイナー教育が広がっていくきっかけになってくれたら、と思っています。

クリスマス会を、今学期の最終日12月15日に予定しています。


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