News / Nunn Road / 2008 / No.J178 10th Aug 2008

 8月たくさんの子供達が一時帰国をしたり旅行をしたりで日本人クラスの人数も約半分(Englishクラスは、ほとんどの子供達が登園しています)になり、さみしい月ですが、みんなで助け合って楽しく過ごしています。

 最近男の子と女の子が仲良く手をつないで歩いたり、遊んだりする姿(年中、年少さん中心)がよく見られるようになりました。Japaneseクラスの子 同士だけでなく、Englishクラスの子とも手をつないでいるんです。微笑ましい光景です。洋服を着替えるのを手伝ってあげたり、折り紙を教えてあげた り、ノームさんに病気の子が早く良くなるようお願いしたり、けんかをして泣いても「ごめんね」と言って仲直りをしたり、そうやって子供達はいろいろな経験 をして成長していっています。

 今月は、日本やペナン日本人学校の夏休みを利用して、何人かの小学生が帰ってきてくれました。私は「Nania」とこの園に名付けた時、C.S.ルイー スのNarnia国のように、子供達が何度も訪ねたい、帰りたい場所であって欲しいという思いがあったのですけど、実際に帰ってきてくれる子供達に再会し たり、また大人同士の再会があったりする時、この名前に決めた時の気持ちが改めて思い出されます。これからもたくさん出会い、再会がありますように。

9月の行事予定
 1日 Merdekaの振り替え休日
 4日 しんぺい君のお誕生会
 12日 ムーンケーキ祭り(この日子供達はムーンケーキをもらって帰ります)
 17日 ヌズルコーランでお休み
 24日 けいや君のお誕生会

先月号で新しくLing先生が来られると紹介したのですが、残念ながら実現しませんでした。でもとてもうれしいことにLim先生が「またナニアで働きたい」と帰って来られました。子供たちも大喜びしています。

小 さな子供達が一生懸命レイハン君をサポートしてくれるのを見て、いつも感動している私です。レイハン君はまだお話ができないから、こうやって助けてあげる というのを自然に身に付けているんです。同じものが食べられない彼のおやつを欲しがる子は一人もいません。小さな器に入った彼のおやつを大切に彼に持って いってあげるのも子供達です。中には励まして食べさせてあげようとする子もいます。彼は動物が好きだから工作の日に自分のものでなく、まず彼のために動物 園を作ってあげた子もいます。またある女の子は、レイハン君のお姉さんのようにいつも気にかけ見守ってくれていて、必要な時はすぐ手を貸してあげていま す。

 先日、こんな会話も耳にしました。「レイハン君にはおこっちゃいけないんだよね」「ウン、でも言ってあげないといけないよね。そうしないとレイハンくん ができなくなるよね」そしてレイハン君が少しでも絵を描いたり、歌ったりと小さなことができるようになるとみんな大喜びしてくれるんですよ。そんな彼らの やさしさをもらって、レイハン君も信じられないくらいいろいろなことができるようになりました。

 この宝のような暖かさ、優しさをずっと大きくなっても持ち続けていて欲しいと思います。そして、彼らならきっとどんな境遇の人も同じように幸せになれる世の中を作っていってくれると信じています。

子 供達は小さな虫をとても大切にします。死んだありさんがいたらすぐお墓を作ってくれるのも彼ら(年長、年中さん中心に)です。そんな時、墓石やお花がとて もきれいに飾られているんですよ。時々自分の家で死んだ虫や金魚たちがやってきて、みんなで大切にお墓作りをすることもあります。小さい頃、こうして祈る ことを、たくさん経験することはとても大切なことです。だから純粋な彼らの目の前では、ありやゴキブリでも殺さないでね、ゴキブリはティッシュでそっとく るんでお父さんお母さんの所に帰ってねと外に逃がす格好をして、後で処分するといいと思います。大きくなればゴキブリが衛生的でないということはわかって きますが、この6才までの時期は生き物自然界のものを大切にするという経験のほうが、「3つ子の魂百まで」と言われるようにものすごく大事だからです。

小 さい幼児達は、精神界から降りてきたばかりで、天使のような純粋な面をたくさん持つ反面、この世での経験が少ないため上手にトイレができなかったり、お水 やごはんをこぼしたり、又、好き勝手なことを言って、言うことを聞かなかったりと「大人を困らせる」ようなことをたくさんします。

 そこで、彼らを「小さな大人」と見て、我々大人と同じような基準で判断して「どうしてこんなことができないの」「ほんとうにかわいくないんだから」など と怒ったり、そう感じただけで、彼らがたくさん持ち合わせている天使のような面はどんどんなくなってしまいます。彼らの発達段階は大人のものとは全く違う からです。

 彼らのかわいさが出てくるか来ないかは、すべて大人次第なのです。この時期の子供達は、回りのすべてを模倣して育っていきます。いらいらしている大人、悲観的な大人の前では彼らは喜びを持つことができません。

 と言っても、24時間いつもニコニコしていることは出来ないですよね。そして、子供たちにもきちんとしていいことといけないことは教えなければいけな い。しかることももちろん大切です。そんな時自分を振り返ってみてください。自分が腹を立てて叱る時は、自分がとても苦しいものです。大人の中にその苦し みがあると、子供たちもその苦しみを感じ、どうしていいかわからなくなります。

 私自身も、自分が苦しくなりそうだなと思ったら「先生は○○ちゃんが大好きなんだよ」と言って、その子を少し抱きしめて、それから又言って聞かせるとい うこともしています。「大好き」「かわいいね」「○○お兄さん、やさしいね」などと言われることが、大好きな彼ら、片付けなどがすぐできない子供たちで も、少しやり出した時、それをほめてあげると、その後喜んでやり終えてしまったりします。

 いらいら、不安、怒りというものは子供たちのためだけなく、自分自身のためにも、とっても不健康なものですよね。私はのどが弱いのですが、ダンナとけん かした後にはてき面症状が悪くなります。またやってしまったと反省して、「ごめんね」と言って仲直りしたら、症状がよくなるんです。子供のような話です が、そうやって学んでいっています。

 笑顔で楽しい夏休みをお過ごしください。

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