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クリスマスの会ご案内 2013年12月13日(金)
(一年の終わりの会)
天井ファンがカラカラ回る暑い国マレーシアにも、もうすぐクリスマスがやってきます。ジングルベルの歌とともに町は、クリスマスツリー、華やかなライトで飾られ、プレゼントを買い求め、クリスマスディナーの予約、パーティーの洋服作りときらびやかで忙しい時期、でも本当のクリスマスって何でしょう。こんなに華やかな行事が行なわれる時は、いつもそれがはなばなしくなればなるほど、その流れに乗りたくても乗れない人たちがたくさんいる。金持ちと貧しい人の差があまりにも明らかに浮き出される時期。クリスマスが、ただ単に物を消費するだけのものだったら、子供たちが単にお金で買ったプレゼントをもらって喜ぶだけだったら、残念なことです。この時期、町の華やかなライトのあかりを外に見るだけではなく、自分自身の心の中に真の光をいだくことができたら、自分以外の人のことを心から考えることができたら、どんなに素晴しいことでしょう。
いつも園では、自由遊びの片づけをした後、輪になって4か国語で朝の挨拶をし、みんなで神様の詩を言っています。子供たちにとって、これは病気でお休みの子を思うお祈りの言葉のようになっています。又、クリスマスの会では、自分のためでなく他の人のためにお祈りしょう。サンタクロースのおじいさんにまず一番にプレゼントを持っていってもらったり、助けてもらいたいのは誰かなと投げかけると次のようなことを言ってくれました。
・けがをした子
・病気の人、入院している子 ・まずしい人
・足が痛くて入院している人 ・火事にあった子
・津波でおうちが流された子
・病気のおじいちゃん、おばあちゃん
・ごはんが食べられない子
・お父さんやお母さんがいない子
・お熱の子 などです。
小さい子供たちは、精神界にとても近い存在であり、自然界のものすべてをあたかも、自分たちと同じように生きているように感じ話します。“おひさま、くもさん、おはなさん”と自然に“さん”をつけて呼ぶのもそのためです。
そんな子供たちの感性に応えるため、お祈りをすることは、とても大切です。
お祈り、そして言葉の力によって子供たちの魂が豊かなものになっていきます。又、各行事で詩を紹介していますが、それは、それぞれの行事で彼らが学んで欲しいことを言葉として表しています。
ナニアの子供たちは、今はまだ小さい子供たちですけど、自然に他の人のことを考えられる、そんな心の豊かなやさしい人間に成長して欲しいという願いと共に、このクリスマスの会を計画してみました。又、一年の終わりの会という意味で、この一年をそれぞれ振り返りたいと思います。お母様方には、子供たちの水彩画を利用したカードをそれぞれの子供たちの写真入りで作り、お渡し致します。異国という生活環境の中、子供たちの出入りも多いナニアですが、一日一日が、一つ一つの行事がそれぞれの子供たちにとって、大切なものとなってくれたらという思いとともに、ナニアの2013年の活動を終わりたいと思います。
30数人の子供たちと過ごす毎日、一人一人の子供たちの豊かな内面を経験しながら学ぶことの多い日々です。
小さな子供たちは、小さな大人ではありません。この世に生まれてきて数年で幼稚園という集団の場に入り、そしていろいろもまれて卒園をしていく年齢になる。一つ一つの経験が彼らを大きく成長させていきます。大人はたくさんの経験があるので、いろいろな感情を頭でコントロールできます。でも、小さい子供たちはそれができません。大声で泣いたり、たたいたり、けったり、かんだり、バカと言ったり、アカンベーをしたり、とストレートに感情を表現します。
彼らが境界線を出た行ない、言葉を言ったら教えてあげたらいいのです。その時に必ず理由を聞いてあげて下さい。理由を聞かないで、“ける”ことだけ注意したら、その子は苦しくなってしまいます。心配する必要は全くありません。“世界と自分”“他人と自分”ということを学ぶための経験すべきことを経験すべき年齢でやっているだけのことです。でも大人が心配ばかりして自分たちのすべき事をしなかったら意味がないことです。境界線を出た行ないや言葉を言った子供たちを見たら、たとえ自分の子供でなくても、すぐその場で言ってあげて下さい。“○○ちゃん。うれしかった?”“うれしくない”“ごめんね”そんな会話で解決します。
小さい子は、“天使的な面”と全く逆の面を持っています。“○○ちゃん元気になって良かったね”“ノームさんにお祈りしよう”“だいじょうぶ?”“だいすき”“やってあげる”と言って助け合う子供たちがぶつかって“バカー。”と言ってしまう。たたいてしまう。それが3~6才の子供たちです。(“バカー。”という言葉が出たら、私はその言葉を飲んであげるのです。「先生のおなかが一杯になってしまうから、あまり“バカ。”を出さないでね。」とユーモアを混じえて言うとだんだん少なくなってきましたよ。☺)
何か気になる行ないがあってもまず“いい経験をしている”と思って前向きに考えてみて下さい。大人の意識が変わるだけで子供たちがいい方向に変わっていきます。
もう一つ園内で気を付けていることは、小さい声で話すということです。(子供たちを落ち着かせようとしたら、こちらが落ち着いていなければいけないからです。) それだけでやさしい空間ができるのですよ。もちろん、全体を動かす時は、普通に声を出しますがー。もう一つ、“あれしなさい”“これしなさい”“はい。これしようね。”と次々に大人が言葉でたくさんの指示を出し過ぎると子供を疲れさせてしまいます。小さい子は、繰り返しのリズムと模倣によって学んでいくので、我々大人は、模倣をされてもいいように自分たちの行動、言い方に気を付け、彼らのすべき日々のリズムをきちんとつけます。すると彼らは自然にすべきことを学び、自らできるようになります。子供たちにやって欲しいことをどうしたら彼らが自らの意志で進んでできるようにさせられるかということも、常に考えていることです。たとえば、ペットボトルのお水をたくさん飲んで欲しい時も、単に飲みなさいと言ったり、怒ったりしたのでは飲めません。でも、私が自分のペットボトルを出して、“純子先生。たくさんお水残っていますよ。飲んで下さい。”“ハーイ。”と自分に言って飲み始めると彼らは喜んで私の回りに集まってきて飲むのですよ。そして、先に飲んだ子供たちは、私を励ましてくれるのです。それが子供たちの世界です。
10月30日(水)は、お弁当の日でした。キッチンの先生たちがおにぎり弁当を作って、お店をオープンし、それを“売ってくれた”日です。子供たちは、お財布作り、お金作りをして、毎日その話をしながら楽しみに待っていました。
大きい子たちは、お金作りに気合が入り、紙のお財布がパンクしそうでしたよ。当日は、年長さんたちに、ゆで卵の殻むき、お弁当のパッキング、年中さんたちには、食後、お弁当入れをふくことをしてもらいました。どの子も一生懸命してくれて、お庭で食べたお弁当もとてもおいしかったです。年長さんの中には、“大きいお金を作ったのにおつりが少なかった”と残念がる子もいたのです。“お買い物ごっこ”でも、本物のお弁当を買うので、彼らは真剣そのものです。ナニアの思い出に残る行事の一つです。
13日(水)ペナン日本人学校中二の生徒さん達13名が来園され、子供たちと遊んで下さいました。絵本を読んでもらったり、手作りおもちゃで遊んでもらい、お庭でかけっこをしてもらって、大喜びした園児たち、お別れした後、“さみしい”“泣きそうだった”と言いながら、大切な時間を思い出していました。お兄さんたちのおもちゃを真似して、ピョンとはねるおもちゃ作りを午後したのですが、それもとても楽しかったようです。
P.S. 生徒さんの中に一人ナニアを卒園したお姉さんもいて、本当に感激しました。
ディパバリは、光の祭典と言われるインドのお祭りです。きれいに飾られたディパバリコーナーにろうそくの光が灯された時、みんな静かに見入っていました。本当にきれいでした。チトラ先生のお話も、私が日本語に訳して二か国語でしたのですが、全部お話が終わるまでよく聞いてくれましたよ。ナニアオリジナルのディパバリの歌を歌った後、みんなでおいしくディパバリのおやつを食べました。珍しいお菓子なので“これは何?”“おいしい”と言いながら楽しいおやつになりました。