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クリスマスの会ご案内 2014年12月12日(金)
(一年の終わりの会)
天井ファンがカラカラ回る暑い国マレーシアにも、もうすぐクリスマスがやってきます。ジングルベルの歌とともに町は、クリスマスツリー、華やかなライトで飾られ、プレゼントを買い求め、クリスマスディナーの予約、パーティーの洋服作りときらびやかで忙しい時期、でも本当のクリスマスって何でしょう。こんなに華やかな行事が行なわれる時は、いつもそれがはなばなしくなればなるほど、その流れに乗りたくても乗れない人たちがたくさんいる。金持ちと貧しい人の差があまりにも明らかに浮き出される時期。クリスマスが、ただ単に物を消費するだけのものだったら、子供たちが単にお金で買ったプレゼントをもらって喜ぶだけだったら、残念なことです。この時期、町の華やかなライトのあかりを外に見るだけではなく、自分自身の心の中に真の光をいだくことができたら、自分以外の人のことを心から考えることができたら、どんなに素晴しいことでしょう。
いつも園では、自由遊びの片づけをした後、輪になって4か国語で朝の挨拶をし、みんなで神様の詩を言っています。子供たちにとって、これは病気でお休みの子を思うお祈りの言葉のようになっています。又、クリスマスの会では、自分のためでなく他の人のためにお祈りしょう。サンタクロースのおじいさんにまず一番にプレゼントを持っていってもらったり、助けてもらいたいのは誰かなと投げかけると次のようなことを言ってくれました。
・けがをした子
・病気の人、入院している子 ・まずしい人
・足が痛くて入院している人 ・火事にあった子
・津波でおうちが流された子 ・かぜひいた子
・病気のおじいちゃん、おばあちゃん・泣いている子
・ごはんが食べられない子
・お父さんやお母さんがいない子
・お熱の子 などです。
小さい子供たちは、精神界にとても近い存在であり、自然界のものすべてをあたかも、自分たちと同じように生きているように感じ話します。“おひさま、くもさん、おはなさん”と自然に“さん”をつけて呼ぶのもそのためです。
そんな子供たちの感性に応えるため、お祈りをすることは、とても大切です。
お祈り、そして言葉の力によって子供たちの魂が豊かなものになっていきます。又、各行事で詩を紹介していますが、それは、それぞれの行事で彼らが学んで欲しいことを言葉として表わしています。
ナニアの子供たちは、今はまだ小さい子供たちですけど、自然に他の人のことを考えられる、そんな心の豊かなやさしい人間に成長して欲しいという願いと共に、このクリスマスの会を計画してみました。又、一年の終わりの会という意味で、この一年をそれぞれ振り返りたいと思います。お母様方には、子供たちの水彩画を利用したカードをそれぞれの子供たちの写真入りで作り、お渡し致します。異国という生活環境の中、子供たちの出入りも多いナニアですが、一日一日が、一つ一つの行事がそれぞれの子供たちにとって、大切なものとなってくれたらという思いとともに、ナニアの2014年の活動を終わりたいと思います。
30数人の子供たちと過ごす毎日、一人一人の子供たちの豊かな内面を経験しながら学ぶことの多い日々です。
小さな子供たちは、小さな大人ではありません。この世に生まれてきて数年で幼稚園という集団の場に入り、そしていろいろもまれて卒園をしていく年齢になる。一つ一つの経験が彼らを大きく成長させていきます。大人はたくさんの経験があるので、いろいろな感情を頭でコントロールできます。でも、小さい子供たちはそれができません。大声で泣いたり、たたいたり、けったり、かんだり、バカと言ったり、アカンベーをしたり、とストレートに感情を表現します。
彼らが境界線を出た行ない、言葉を言ったら教えてあげたらいいのです。その時に必ず理由を聞いてあげて下さい。理由を聞かないで、“ける”ことだけ注意したら、その子は苦しくなってしまいます。心配する必要は全くありません。“世界と自分”“他人と自分”ということを学ぶための経験すべきことを経験すべき年齢でやっているだけのことです。でも大人が心配ばかりして自分たちのすべき事をしなかったら意味がないことです。境界線を出た行ないや言葉を言った子供たちを見たら、たとえ自分の子供でなくても、すぐその場で言ってあげて下さい。“○○ちゃん。うれしかった?”“うれしくない”“ごめんね”そんな会話で解決します。
小さい子は、“天使的な面”と全く逆の面を持っています。“○○ちゃん元気になって良かったね”“ノームさんにお祈りしよう”“だいじょうぶ?”“だいすき”“やってあげる”と言って助け合う子供たちがぶつかって“バカー。”と言ってしまう。たたいてしまう。それが3~6才の子供たちです。(“バカー。”という言葉が出たら、私はその言葉を飲んであげるのです。「先生のおなかが一杯になってしまうから、あまり“バカ。”を出さないでね。」とユーモアを混じえて言うとだんだん少なくなってきましたよ。☺)
何か気になる行ないがあってもまず“いい経験をしている”と思って前向きに考えてみて下さい。大人の意識が変わるだけで子供たちがいい方向に変わっていきます。
もう一つ園内で気を付けていることは、小さい声で話すということです。(子供たちを落ち着かせようとしたら、こちらが落ち着いていなければいけないからです。) それだけでやさしい空間ができるのですよ。もちろん、全体を動かす時は、普通に声を出しますがー。もう一つ、“あれしなさい”“これしなさい”“はい。これしようね。”と次々に大人が言葉でたくさんの指示を出し過ぎると子供を疲れさせてしまいます。小さい子は、繰り返しのリズムと模倣によって学んでいくので、我々大人は、模倣をされてもいいように自分たちの行動、言い方に気を付け、彼らのすべき日々のリズムをきちんとつけます。すると彼らは自然にすべきことを学び、自らできるようになります。子供たちにやって欲しいことをどうしたら彼らが自らの意志で進んでできるようにさせられるかということも、常に考えていることです。たとえば、ペットボトルのお水をたくさん飲んで欲しい時も、単に飲みなさいと言ったり、怒ったりしたのでは飲めません。でも、私が自分のペットボトルを出して、“純子先生。たくさんお水残っていますよ。飲んで下さい。”“ハーイ。”と自分に言って飲み始めると彼らは喜んで私の回りに集まってきて飲むのですよ。そして、先に飲んだ子供たちは、私を励ましてくれるのです。それが子供たちの世界です。
自然界の神秘
庭のチク城に、よく蝶のさなぎが引っ付いています。24日(月)は、外遊びの時間に生まれたばかりの蝶がいて、“おめでとう”と言ったり、“頑張って飛んでね。”と応援したりすることができ、素晴しい体験をしました。子供たちが帰る時も、まださなぎのからに引っ付いていましたよ。羽が乾くまで数時間かかるようです。
有機野菜一口メモ
個人差はありますが、ナニアの子供たちは、お昼ごはんのお野菜が大好きで、よく食べていますよ。この野菜には、たくさんの人の心が入っています。まず、農場のお百姓さん、子供たちや我々消費者のために、お店に卸す価格で届けてくれています。そして、大変な仕分け作業をするバランさんも私たちのために自分の報酬を最少限にして、頑張ってくれています。それから、アンティージャネットとキッチンで働く先生たちの心、子供たちを励ます保育者の心などです。そんな中、野菜を食べにくい子供たちがたくさん食べられるようになると、本当に嬉しいです。