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 クリスマスの会ご案内2015年12月11日(金)

(一年の終わりの会)

 天井ファンがカラカラ回る暑い国マレーシアにも、もうすぐクリスマスがやってきます。ジングルベルの歌とともに町は、クリスマスツリー、華やかなライトで飾られ、プレゼントを買い求め、クリスマスディナーの予約、パーティーの洋服作りときらびやかで忙しい時期、でも本当のクリスマスって何でしょう。こんなに華やかな行事が行なわれる時は、いつもそれがはなばなしくなればなるほど、その流れに乗りたくても乗れない人たちがたくさんいる。金持ちと貧しい人の差があまりにも明らかに浮き出される時期。クリスマスが、ただ単に物を消費するだけのものだったら、子供たちが単にお金で買ったプレゼントをもらって喜ぶだけだったら、残念なことです。この時期、町の華やかなライトのあかりを外に見るだけではなく、自分自身の心の中に真の光をいだくことができたら、自分以外の人のことを心から考えることができたら、どんなに素晴しいことでしょう。

 いつも園では、自由遊びの片づけをした後、輪になって4か国語で朝の挨拶をし、みんなで神様の詩を言っています。子供たちにとって、これは病気でお休みの子を思うお祈りの言葉のようになっています。又、クリスマスの会では、自分のためでなく他の人のためにお祈りしょう。サンタクロースのおじいさんにまず一番にプレゼントを持っていってもらったり、助けてもらいたいのは誰かなと投げかけると次のようなことを言ってくれました。

 ・けがをした子

 ・病気の人、入院している子    ・まずしい人

 ・足が痛くて入院している人    ・火事にあった子

 ・津波でおうちが流された子    ・かぜひいた子

 ・病気のおじいちゃん、おばあちゃん・泣いている子

 ・ごはんが食べられない子

 ・お父さんやお母さんがいない子

 ・お熱の子            などです。

 小さい子供たちは、精神界にとても近い存在であり、自然界のものすべてをあたかも、自分たちと同じように生きているように感じ話します。“おひさま、くもさん、おはなさん”と自然に“さん”をつけて呼ぶのもそのためです。

 そんな子供たちの感性に応えるため、お祈りをすることは、とても大切です。お祈り、そして言葉の力によって子供たちの魂が豊かなものになっていきます。又、各行事で詩を紹介していますが、それは、それぞれの行事で彼らが学んで欲しいことを言葉として表わしています。

 ナニアの子供たちは、今はまだ小さい子供たちですけど、自然に他の人のことを考えられる、そんな心の豊かなやさしい人間に成長して欲しいという願いと共に、このクリスマスの会を計画してみました。又、一年の終わりの会という意味で、この一年をそれぞれ振り返りたいと思います。お母様方には、子供たちの水彩画を利用したカードをそれぞれの子供たちの写真入りで作り、お渡し致します。異国という生活環境の中、子供たちの出入りも多いナニアですが、一日一日が、一つ一つの行事がそれぞれの子供たちにとって、大切なものとなってくれたらという思いとともに、ナニアの2015年の活動を終わりたいと思います。

 11月6日(金)日本人クラスをお休みにさせていただいて、ありがとうございました。あの日、私は、Nania 2 の卒園の会に参加し、その後、Nania 1 の卒園の会に出席しました。Nania 2 は、第一回目の卒園の会で本当に感激しました。卒園児(二人)の保護者の方々も、これ以上の感激はないという感じで、心のこもったスピーチをされました。少し時間がオーバーしたため、私はちょっとスピードを上げてNania 1 に向かったのですが、今堂々と胸をはって卒園した子達のこと、Nania 1 で胸をときめかせながら待っている5人の子供達のことを考えながら、彼らがとても暖かい満たされた気持ちにさせてくれました。

 そして、不思議なことに、ちょうど20年前、自分が車を運転しながら、「ナニアを始めるんだ!」と決意した場所を通っていたのです。あの頃は自分が5年後に(5年間は橋の近くでナニアをしました)現在のNania 1 の家に引越しするとは思いも寄らなかったのですが、決意した場所がNania 1の近くというのもとても不思議な縁です。

Nania 1 の5人の卒園児たちも生き生きと発表して、立派な締めくくり、そして新しい出発をしてくれました。

 保護者の方々から、もっと分園を作ってください、学校も作ってくださいなどという要望が多く、たくさんの若い先生達に会いたい、彼らが育って欲しいと切に思います。そんな中、来年は月一回の勉強会を行って、この教育に興味のある人達との出会いを深めたいと計画しています。

 マレーシアの学校制度(特に中華系)は、ものすごい詰め込み主義、競争主義で子供達がのびのびと育ちにくい、自分の力、生きていく力が育ちにくい、というのが現状です。学校作りには程遠いのですが、Nania 2 では、午後、マレーシアの小学生対象にアフタースクールケアを行なっています。温かい環境で、宿題をやったり、芸術活動、運動をしたりする中、午前とのバランスが少しでも取れるようにというのが願いです。

P.S.

 自分の信念は、3-6才児は、自由に体を動かして遊び学ぶ中で、これからの人生の基礎であるしっかりした体作り、豊かな心作りをすることです。

 そんな中、いろいろな行事を体験して、彼らは大きく成長していきます。私にとって年長さんの途中で、しかもあと数か月で卒園という時の子供達とのお別れは胸が引き裂かれるように辛いものがあります。もちろん帰った所で幼稚園に通い卒園はできるのですが、ここで兄弟姉妹のように共に過ごしたお友達と一緒に卒園の会という締めくくりをできないのは、本当にかわいそうでなりません。本当に残念です。後の世の中を担っていく人間作りのための幼稚園教育なんです。私の声は、会社の社長さん達には届かないかもしれませんが、必死で豊かな心の人間作り教育をしている者の声として届いて欲しいと、今回のゆうき君とのお別れで切に、切に思いました。本当にできるものなら、会社を訪ねたいと思ったぐらいです・・・。

 同じ年長さんの日本帰国でも、夏に帰国と冬の時期に帰国する子では、会話の内容が変わってきます。クリスマスの会に向け、卒園の会でする「I am a star」の練習をしたりするからです。

ゆうき君との会話(毎日のようにしています)

ゆうき「純子先生、日本に帰りたくない」

私  「そうね、でも心と心はずっとつながっているからね。日本でもたくさんやさしいお友達が待っているよ」

ゆうき「そうだね」

私  「ずっとゆうき君のことをお祈りしているよ。日本で卒園する時もずっと応援しているよ。大きくなったら、バックパック背負って帰っておいでね。先生泊めてあげるから」

ゆうき「わかったよ」

 六才児の子にどのぐらいわかるのかわかりませんが、彼は、一生懸命お手紙も書いてくれています。

 「じゅんこせんせい にほんにかえっても わすれないよ だいすき」と。たくさんのお花も描いて・・・。サリー先生にもリン先生にも書いています。

 今の自分にできることは、ずっと祈り続け、励まし続けること。本当に心と心はつながっているので・・・。お別れまで、まだまだたくさんやさしい思い出作りをします。

 ディパバリは、の祭典と言われるインドのお祭りです。飾り付けは、チトラ先生に手伝ってもらって、当日はリン先生がろうそくに光を灯し、ノラ先生と私がお話しました。灯された光は、本当にきれいでお話もよく聞いてくれましたよ。お祈りした後、ナニアオリジナルのディパバリの歌を歌い、みんなでおいしくディパバリのおやつをたべました。珍しいお菓子なので、「これは何?」「おいしい」と言いながら、楽しいおやつになりました。ムルクを始め、全部チトラ先生と彼女のお母さんの手作りなので、本当においしかったです。

   

  




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