News / Nunn Road / 2016 / October 2016

 先日の感謝祭大変お世話様になりました。

お天気にも恵まれ、みんなで当日に向けて準備をし、最後に人形劇のお友達と一緒に「Father Sky お父さんのお空 Mother Earth お母さんの大地」と歌って、みんなで作り上げた会になったと嬉しく思いました。体調を悪くしてお休みしたお友達や、日本に一時帰国していたお友達のことも、そして、会に向けて一緒に練習し、お別れした子達もみんな一緒にいるようでした。

小さい子達は、全身が感覚器官と言われるように、周りのことすべてを模倣し、吸収します。大人の感情など目に見えない心まで真似できます。そんな、3~6歳児にとって、一番伸ばしてあげたい感覚は、触覚、生命感覚、運動感覚、平衡感覚です。この時期、知的教育に力を入れて脳ばかり刺激しては、この感覚が育ちません。逆にこの感覚を、この時期伸ばしたら、後で知的なものが伸びます。お友達と遊び、けんかもし、友達の心の痛みがわかる。歌って踊って行事の準備をする。自然の中での木登り、砂遊び、虫さがし、種蒔き、いろいろなクラフト、お手伝い、お祈り、すべてがこの四感覚を伸ばします。そして、それはそれぞれが人生を一生懸命自分の足で生きていける力、土台作りになります。

生命感覚の発達している小さい子は大人以上に暑さ、寒さ、空腹、心の痛みなどに敏感です。小さなことですぐ泣いたり怒ったりするのもそのためです。最近年長の男の子達二人が帰国した後、私を助けるかのように、私の右腕になって一生懸命感謝祭の準備をしてくれた男の子も、当日は病み上がりや大勢の場での緊張などのために自分らしさを発揮できなかったのも、生命感覚が敏感だからなんです。大勢の人の前で恥ずかしくなる子、いつも以上に興奮してしまう子、それぞれ出方は違います。そして、同じ子でもみんな成長過程にある子達なので、今回と次の回と又変わってきます。だから心配されることはありません。

そして、こういう敏感な子達ができるだけ、当日いつもと同じようにできること、それに大きな影響を与えるのは大人の姿勢です。もう一度皆様にお願い致します。

*  発表の前、保育者は、室内で子供達をまとめ、落ち着かせ、準備をします。ドアが開き皆様が入られる時になりましたら

a)  迅速にお入りください -小さい子供達を待たせると彼らは苦しくなります-

b)  無言でお入りください -すべて子供達を落ち着かせるためです- 

(もちろん笑顔でサポートする形でお願いします。)

c)  小さいお子さんはお膝の上に、園児から少し遠ざけてください

このサポートがあれば、一番いい形で子供達の様子をご覧になることができます。どうぞ、よろしくお願い致します。

人形劇のあらすじ 「水の竜」

水の竜が雨を降らせてくれるので、お百姓さん、カエル君、ニワトリ君、お花さんは、みんな大喜びしていました。ところが、みんなの幸せを嫌う魔女が「まほうの杖」を使って、水の竜をつかまえたため、雨が降らなくて、みんな困ってしまいました。

どうしようもなく、お城の王子に相談した所、勇敢な王子様は、知恵もののおばあさんに教えてもらって、魔女の「まほうの杖」を取って水の竜を助けに行くことにしました。

森の中で出会った女の子が魔女の家まで連れて行ってくれ、王子は魔女がいねむりしている間に杖を取り上げ、水の竜が助けられました。いねむりから起きた魔女は、まほうの杖と、水の竜がいなくなりカンカンに怒っていました。村では、又、雨が降り、野菜や花が育ち、カエル君の池にも水が十分あり、みんな大喜びしました。

女の子は、森の中で見つけた「幸せの花」をたくさん集め、ナニアの子供達にあげたいと持って来ました。そして、最後にみんなで

♬♪ おとうさんのお空 おとうさんのお空 広く 大きく高いお空

   おかあさんの大地 やさしいね お米や人参 育ててくれる ♫

   お米や人参 育ててくれる~ ♪

と歌い、幸せの花(折り紙)を子供たちがもらって、おしまい。

   

   

   

  

*  行事でする人形劇のストーリーや詩は、ナニアオリジナルのものです。又、少しずつナニアオリジナルの歌も入れています。震災のお見舞で作った希望ちゃん人形に託したお祈りの歌は、クリスマスの会でも歌います。その場にふさわしいものが作れ、それを子供達が歌ってくれるのを聞く時の喜びは大きいです。

 20年間ナニアをする中で、お母様方からよく聞く悩み事の一つは、「自分の子がいじめられている」です。その悩み事を聞いた時に私がお話することは、

  お母さんがそう信じていては、お子さんは前向きになれません。前向きなアドバイスをしてあげると子供達は安心します。

  子供達は、成長過程にあります。どの子も完全ではありません。だから強い言い方もします。そして、小さい子は言葉の数が少ないから、何でも「いじめられる」と表現します。

  大人の責任は、もし強い言い方をする子を目の前にしたら、自分のお子さんであってもなくても、その場で注意してあげること。それがその子達のためになります。

  どんな小さな心配事でもすぐ私に教えてください。

言葉の使い方を学んでいる小さい子達は、小学生の真似をして、「年上に逆らわないで」というような言い方をすることもあります。そこで、「本当に生意気で意地悪なんだから」と取るか、「模倣しているんだね、それが成長過程だから」と取るかで全く変わってきます。その言葉が出た時に「うれしい言葉?」「悲しい言葉?」などと話し合うことも大切です。

私は「バカ」が出たら飲むことにしています。でも飲んだらおなかが痛くなり、「治る言葉をちょうだい」とお願いすると「大好き」という言葉をくれます。「おしり」「ウンチ」「おしっこ」などもよく出ましたが、「純子先生、ウンチ君大好き!ウンチ君がおなかの中にいると痛くなるよね。出てくれたら嬉しいから、いつもウンチ君ありがとうって言ってるの。」こんなやり取りで自然に消えました。

「なかまに入らないで」「だめ」という言葉もよく聞きます。ナニアでは、「だめと言う子が出てください」「みんな仲間です」と決め、「解決」するためにミーティングをしたりするとだんだんわかるようになります。同じコンドや御家庭で子供達が遊ぶ時もそういう状況を見られたら、その場で注意してあげること大切です。「〇〇ママ、悲しいな」と言うだけでメッセージは届きますよ。

それから、心配事は何でも私に相談してください。どんな小さなことでも大丈夫です。小さなことでも、心に残っていたら大きくなるからです。

何年も前の話です。あるお母さんの心配事を聞いてあげている時、どんどん、どんどん、次から次へと心配事が出てきたことがあります。切りがないぐらい。その時に私は、そのお母さんに宿題を一つ出しました。「この電話を切られた後は、冷蔵庫の冷たいビールを飲んでぐっすり寝て下さい」と・・・。そう言うと、そのお母さんは大声で笑われたんです。そして、本当にその宿題をやって下さって、次の日、お子さんが元気一杯登園し、心配事が徐々に消えていったというお話。

子供は、お母さんの生命力を頼りにしています。お母さんが明るく、前向きで元気一杯だったらたくさんのこと解決できます。ここでは、おじいちゃん、おばあちゃんなしによく頑張られていますね。私は皆さんの「母」のような年齢になりました。こんな自分をどうぞ使ってください。

 10月19日(水)は、お弁当の日でした。キッチンの先生たちがおにぎり弁当を作って、お店をオープンし、それを売ってくれた日です。子供たちは、お財布作り、お金作りをして、毎日その話をしながら楽しみに待っていました。今年は雨が多く、外でできなかったのですが、保育室を広くし、そこでピクニックをしているようにお弁当を食べました。すると、涼しい中、みんな楽しんでくれて、なんと一時間近く、おかわりしたり、おしゃべりしたり、楽しそうに食べ続けていましたよ。

自分たちで作ったお金とお財布を持ってお弁当を買うのも上手でした。又、年長さん達は、エプロンをかけ、手袋をして、全部のお弁当パッキングをしてくれたんです。これもとても上手でした。年中さんも上手にお弁当箱をふいてくれましたよ。

一日の終わりのお話の前に、お魚さん人形が来て「今日はどんな日でしたか」と聞いてくれるのですが、みんな「今日はお弁当の日でとても楽しかったです」と満面の笑みで話してくれました。本当においしくて楽しかったようです。(今年は私の母にも手伝ってもらったのですが、「おばあちゃん」は人気者でした。)

  

  

 

 

 目の発達は8才まで続く

小さい子は、よくお水をこぼします。ペットボトルを落としたり、コップをひっくり返したり、ナニアでも床をふくことしょっちゅうです。お水をこぼしたら、大人の手をわずらわせること間違いなし、「この忙しい時に~」と怒りがち。でも、もし、目の発達は8才まで続くという成長発達を知っていたら、少し楽になるかもしれません。

9才児は、目の成長発達を完全に終え、お水をコップに注ぐ時、上手にでき、失敗することはありません。でも、8才まで、特に幼稚園の子供たちは、目が遠近の感覚を確実に把握することは、まだ難しいのです。

そういう発達段階にある時は、いろいろなことが上手にできないのは、当然のこと。そんな彼らに怒っても意味ないということになります。私たち保育者も、ものすごく忙しい時、お水がこぼれると「アャー」と心の中で叫ぶことはありますが、「彼らの目の発達はまだだから仕方がないよね」と納得すると楽になります。楽になったら、ぬれた洋服を脱がして、「お日様やさしいから、お洋服、お日様に乾かしてもらおうね」といろいろ会話が続きます。☺

 ディパバリは、光の祭典と言われるインドのお祭りです。ディパバリコーナーに灯された光は本当にきれいで、お話もよく聞いてくれました。お祈りした後、ナニアオリジナルのディパバリの歌を歌い、みんなでおいしくディパバリのおやつを食べました。珍しいお菓子なので、「これは何?」「おいしい」と言いながら、楽しいおやつになりました。

 ディパバリの日に各家の床に色鮮やかな模様で飾られる「Rangoli Pattern」。子供たちも一生懸命楽しく色塗りしました。

  

 

 

 辻さんからメールが届きました。しんのすけ君は日本のお友達や先生に「ナニアではこうするんだよ」と、大好きのハグやお祈り、食前の言葉などいろいろ教えているそうです。それを聞いてナニアのお友達は大喜びしていました。物理的に離れても本当に心はつながっていますね。嬉しいです。

 望遠鏡作りも楽しかったようで、できた後、「探検隊」にもなりました。

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